Inspired by Nikkeinews 20080428
ICAP(国際炭素取引協定)は、温暖化ガス排出量取引の国際市場設立をめざし、EUや米国・カナダの主要州などが2007年10月にポストガルのリスボンで調印した協定。温暖化問題対策における国際的な連携システムを構築し、経験や知識を共有、同問題に対する取り組みの効果を高めようとする狙いがあるという。
EUは世界の排出量取引額の約70%を握っており、協定国や地域への支援でEU型の排出量取引制度を普及させたいとの考えがある。EUは排出量取引で企業に温暖化ガスの排出枠を設定し過不足を取引する「キャップ・アンド・トレード方式」を導入している。
ICAPにより、EUの域内排出量取引制度(EU-ETS)と、北米の有力州などの独自の排出量取引市場のネットワークを構築し、欧米企業が相互に排出量を売買できる体制を整備する。
「公共善の実現を駆動目標に掲げ、政治原理(補助金・低金利融資等と経済原理(市場での交換)を組み込んだ促進策で実践を促進、経験知を獲得して知識資産を構築する」、この欧州モデルはナレッジ時代のすぐれた取り組みのように思われる。先進国と新興国のバランスに踏み込んでいないあたり、なにか死角もあるように思うが、もう少しこのあたりを探ってみたい。
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