Inspired by Nikkeinews 20080825 パソナ社内に内閣
株式上場から七年、従業員の平均年齢が約32歳と若い同社にとって、社員の成熟は大きな課題-。そのような問題意識から、パソナ社は社内にシャドーキャビネットを創設した。子要因、医療、教育などのテーマで社員が政策をまとめ、社内政府に提言する。
社内の議論にとどまらず、本物の内閣府の規制改革会議に「保育士の資格要件を緩和すべきだ」と政策提言した。パソナには、約四千人の保育士免許保有者が派遣登録しており、現場から日々「保育士不足」の情報が上がってくるからだという。提言にあたっては、法律を調べ、新聞を読み、統計をまとめるという、普段の仕事とは無縁の作業にも取り組むという。
内閣府も、「規制緩和を検討するが、保育士の離職率が高い理由も調べてほしい」と回答したという。このようなやりとりから、問題の本質が見えてくる。
パソナでは、年に二回、グループ約5,000人が出席可能な国会の開催、一般の人の前でのタウンミーティングの開催など、実践的な育成活動を展開する予定であるという。内閣活動は着実に社員の「社会的な意識」を引き上げると、会社の利益に直結しない活動を積極的に進めている。
コラム:企業の政治献金
企業の政治への関心への低下は、政治献金の減少に象徴される(06年度2700億円弱)。1990年代前半までは20%程度あった全収入に占める企業・団体献金の割合は、5.1%にまで低下している。
米国では、企業は政治活動に積極的。ただし、献金だけではない。「ロビイスト」と呼ばれる専門家を介して、政治家に陳情するロビー活動が盛んだ。日本は「お上志向」が強く、社会の合意に関与する意識が弱い。国際的な比較でも、日本がロビー活動を進めることの重要性が指摘されている(By WEF 国際競争力比較)。
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