Inspired by Nikkeinews 20090513 経済教室 小宮山宏三菱総研理事長
二酸化炭素の排出を最終消費の分野から見ると、「ものづくり(鉄鋼、化学、紙、窯業、自動車、家電など)」と「日々の暮らし(家庭(17%)、オフィス(15%)、自家用・業務用の自動車が主体の輸送(23%)など)」に分類され、おおよその比率は45%:55%であるといいます。
「ものづくり」分野でのエネルギー効率はほとんどの分野で世界トップを走っており、今後の改善余地が大きいのは「日々の暮らし」分野、たとえばエコハウス、省エネビル、エコカーなどによる低炭素化ということになります。
小宮山氏は、個人が低炭素化の主体となる本領域において、「自立国債」を提案します。政府が国債発行によって調達した資金で低炭素化設備を購入し、個人住宅に設置し、創エネルギー・省エネルギーによってられる収益を国債の償還と利払いに充て、償還完了後に設備を個人に寄贈するという仕組みです。
これにより、1.初期投資の国の建て替え、2.償還の確実性(国家財政への不安感の緩和)、3.市場枠(市場規模)の保障を同時に進め、消費者、国民、供給者などの関係者の不安や心的障害を同時に取り除く妙案。太陽光発電、窓の断熱化、家庭用ルームエアコン、インバーター照明、高効率HP給湯、ハイブリッド自動車・・・、これらの低炭素化により、日本の排出量は13.5%削減できると筆者は試算します。
「このように考えると、環境、エネルギー、高齢化といった日本の将来を不安視させる課題こそが、実は内需を創出し、一方で世界を先導するシーズであることに気づかされる。鍵は自立国債のように、技術と経済と社会の相互作用と誘起する仕組みの着想である。課題先進国の日本の前途はそこにかかっている。」
介護・医療・年金などの財政の負の負担から捉えるのではなく、高齢者が引きこもらず社会参加できるシステムの実現(バリアフリー化などはもちろんのこと、五感支援システムなどもある)が、日本を元気にする!小宮山氏のプラチナグロースというネーミングも、温かくて気持ちがいいですね。
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