0309日経経済教室吉川洋東大教授より
ギリシャの経済破綻を契機に、長期債務がGDP比180%(先進国平均は、70〜80%台)となる日本への不安感が広まっている。 吉川教授は、分母を支える経済成長と、分子の歳出抑制の両面、現実的には後者に着目し、歳出増の内訳に目を向けよ、と促します。 その歳出の内訳、バブル崩壊前、バブル崩壊後、2000年代で事情がまったく異なる。
- バブル崩壊直前の1990年度代、日本は財政赤字で、長期債務残高もGDP比60%台だった。
- バブル崩壊後は、不況で税収が落ち込む一方、公共投資による経済対策で公共投資が拡大
- 2000年代になると、歳出の主役は公共投資から社会保障関係費へ
増税は、少子高齢化で社会保障制度を維持・充実するため。社会保障目的税であることを意識すべきといいます。そのためにも、「国民の厚生水準を上昇させている」という実感があり、大多数の国民が十分理解している必要がある、消費税を払って、社会保障サービスを買い物する、この実感には買い物の中身をはっきりさせなくてはならないという指摘も腑に落ちます。共通番号の導入で、社会保障の将来像をはっきりさせる、このことで将来不安を解消するという動きが広がって欲しいですね。
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