Inspired by Nikkeinews NIKKEI SUNDAY 読書 20060205
『消費者のゆくえ』間々田孝夫著の書評より。本書は、定説となっている商品に関するキーワードが必ずしも商品の現状を説明しきれていないという興味深いアプローチをとっている。
「1980年代以降、消費の多様化は消費者の個性化が原因であると言われてきた。しかし90年代になるとヒット商品の数は限られ、その一方でヒットすれば膨大な販売量を記録するなど一極集中、画一化が進んだ。成熟した社会で消費者の個性化は進んだが多様化にはブレーキがかかった。消費に関する記号論的な解釈には限界があることを示している。」
「今後の消費社会のゆくえとして、「モノ離れ」「脱物質主義」をあげている。日本の住宅は30年ほど前からウサギ小屋とその狭さを揶揄されているが、劇的な改善はない。広さを誇示するような社会風土にならなかったことが、住宅への過度のこだわりを排除した。衣食住の全般にわたって、量的、質的な停滞が随所で見られる」
消費の多様化が実は進んでいないという指摘は興味深い。衣食住の全般で、質・量的な停滞が見られるという指摘にも共感する。新しい商品やサービスのコンセプトで多様化、質・量の向上を図っていても、ビジネスモデルとしての秀逸さ、生活全般とのバランスを考えたうえで、商品としての価値を設定していく必要がある?
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