Inspired by Nikkeinews 20060219 読書
2005年、日本の総人口は戦後初めて減少に転じ、出生率が死亡率を下回った。労働力人口は1999年から減り続けている。「人口減少」という不安が広がっているが、なにが問題だというのだろうか。
切り口1 労働力の低下
労働力人口が減ることによる、GDP低下。これに対しては、GDP=労働生産性×就職者比率であることから、労働生産性が伸びれば問題ないという意見もある。(エコノミスト原田泰・鈴木準『人口減少社会は怖くない』)
切り口2 労働者間の生活水準の格差拡大
生産性向上によって平均水準が保たれても、配分が問題となる。とくに、生産性向上のために導入される新技術も、適応が困難な中高年は排除され、失業問題につながる恐れがある(社会学者山田昌弘『迷走する家族』/高梨昌『ゼミナール・日本の雇用戦略』)
切り口3 出生率に回復の兆しが見えない
西欧先進国と比較しても、顕著な少子化傾向。国や自治体による夫婦の子育て環境を整えることに力点が置かれているが、そもそも法律婚をしない人の割合が、現在の男性10%、女性6%からそれぞれお20%に拡大するという予想もある。現代は「出会いにくく、分かれやすい社会」であることも、「仕事と家庭の両立の難しさ」「教育費の高さ」などに加えて、少子化の一因になっている。(毎日新聞社『人口減少社会の未来学』)
ほかに、人口減は供給減ではなく需要減が問題であるという声も・・。人口減の本質的な影響をひきつづき、議論したい。
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