Inspired by Nikkeinews 20070128 読書
1990年代以降、急速に進むグローバリゼーションの動きについて、本書はこの恩恵が先進国の一部のみに偏在し、貧しい人々や発展途上国にはいきわたっていない、さらには状況を悪化させている現状を指摘、改善策を記している。同氏は、ノーベル賞受賞者で、世界銀行の上級副総裁などを歴任した経済学者。
先進国や国際機関はしばしば、市場原理主義に基づく自由化を主張する。しかし、貿易自由化では各国で勝者と敗者が生まれるため、リスクに対処するセーフティネットなどを構築する必要がある。途上国は先進国に比し、十分準備ができないまま自由化を共用され、調整に失敗しがちとなる。
他方、先進国は農業保護に代表されるように、補助金yは関税で自分達に有利な仕組みを作る一方で、支障のないもものの自由化を途上国に押し付ける。金融面で返済が困難となるほど多額の貸付を行い返済が滞れば、国際通貨基金(IMF)が国情に配慮することなく、教条主義的に厳しい財政・金融政策の実施を共用しつつ救済に入る。この結果、先進国の債権者は救えるが、途上国の国民は不景気で苦しむことになる。
評者によれば、スティグリッツ氏は現状打破の解決策として、調整の多面の国際的な第三者期間の設立などを提起しているが、実行可能性に難があるという。ムハマド・ユヌス氏のように、現場のなかでダイナミックな潮流を生み出す方法を、加速することはできないか。投資に対するメンタリティの変化も踏まえ、考えていきたい。
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