Inspired by Nikkeinews 20070104 経済教室 07年の針路
青木昌彦スタンフォード大名誉教授からの国際社会をリーディングするポイントについて。まず、グローバル化とは市場の経済統合にとどまらず、組織の多国籍化、サイボー空間のクモの巣のような広がり、地球環境の共用、争奪など、様々な側面を持っていると指摘。その主体も、「国民国家の概念を規定した十七世紀のウエストファリア条約」の概念を超越し、アルカイダのような非政府組織や国境を超えた自発的な民間団体が国家の安全を脅かしたり、地球公共財供給に役割を果たしてる点に触れる。
「このような多面的で、輻輳(ふくそう)した関係の中で、一国の針路という概念はどのような意味を持つのか」
この問いに青木教授は、世界の共感を呼ぶ日本ならではのイデオロギー(価値観)として、エネルギー資源・環境の問題へのリーダーシップを解として示す。省資源・環境神話的な代替技術の開発や使用で卓越することが、グローバルな場での政治経済的な対抗交渉力を高めることでもある。その分野は、自動車等での節約的ハイテクにとどまらず、有機農法、水資源の循環利用、伝統工芸の見直し、家計の消費パターンや生活技術など、多様である。
加えて、青木氏はこのビジョンを実現する手段の確立を重視する。技術の継続的な革新力と、その市場の知的財産権・国際協力・対外援助などのルートを通じた伝播力を国レベルで育てる必要がある。それにはイノベーションに向け知恵の切磋琢磨を同期づけ、健全な民間競争が求められる。
このように、世界の共感を得るイデオロギー(倫理観・価値観)の発信と、具現化する技術的卓越性を持つことが、国際間の交渉力、発言力の有効性が高めると指摘している。軍事力を持たない国の、国際交渉力向上。日本からのモデルをなんとも発信したいものである。
「省エネ・環境親和的技術の卓越性と、環境と強制的な価値観・生き方の発信を両輪として世界と関わる」
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