Inspired by Nikkeinews 20070109 経済教室 07年の指針 川本裕子早大教授
少子高齢化時代の本格到来を前に、社会保障負担などで日本の将来への不安感が広がりつつある。日本は世界をリードする繁栄国家たりえるか、成長なき経済で安定した国家をめざすのか。。。川本教授は、長い歴史の時間軸で少子化対策に今本格的に取り組めば人口が再び拡大に転じる可能性は多いにあると指摘。不可避、付加逆と受け入れる視点を否定する。
また、同氏はモデルとして第二次世界大戦から1970年代までの英国をあげる。市場競争の強化、民営化の拡大を進め、危機的状況から見事な復活を果たした。「こうした変化の今夏は社会を覆う悲観主義を克服した意思の力にある」とし、政策次第で国の成長力は変わること、政策は既得権益と真っ向から対立することが多いが、政治的リーダーシップ、政策決定に携わる指導層の意志力や危機感が改革を支えるという。
「日本型雇用慣行の重視」として、今の雇用慣行で守られている労働者層の地位を変えないとする保守性は、無責任、あるいは知的怠惰であると一喝!人が柔軟に職場を変われるなど、経済社会システムを柔軟に変化に対応できるようにすることが肝要とする。
経済社会システムは、今は経済的決定に参加することができない将来世代の利益を最適化する意思が重要となる。その源泉は、日本人の合理性、英知に期待するしかないという。「政策決定の透明性やオープンな議論で様々な客観的なデータや考えが政策検討の対象として提示されるべきである。」
最後に、社会変化を牽引するリーダーには、ビジョンを提示する英知の重要性を指摘し、「土建国家」から「人づくり国家」に向けたビジョンと、具体的なアクションプラン、達成指標の設計の重要性を説く。
世代を超えた信頼感の構築、将来への適切な危機感の共有・・・、どれも難しい命題だけど、「悲観主義」を超えて「意思の力」で政策決定、実行策の立案を進めるという思想には共感、共感。
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