Inspired by Nikkeinews 20070314 成長を考える 池尾和人慶応大学教授
■金融システムとは■
資金を効率よく配分するための経済インフラ。池尾氏は、「日本では、オーバーバンキング(銀行過剰)による貸出競争が、運用の機能不全に陥らせていたと指摘する。
【供給】 → 【運用】
低コストで安定的に資金を供給する ← 資金効率を改善し、運用のリターンを産む
「1990年代の金融システム危機、不良債権問題から、資金の適正配分を担う役割が銀行に集中するという構造の脆弱さを学んだ。資金の配分には多様な主体が参加して、リスクを分散しやすく、経済全体の効率が上がりやすい資本市場が中心であるべきだ。リスクマネーを供給する投資ファンドが好例である。」
■運用効率を評価する基準 ~二種類の投資家~■
『ファイナンシャルバイヤー』企業価値には関係なく、安く買って高く売り抜ける投資家
『ストラテジックバイヤー』潜在力を含む企業価値に注目する投資家
企業価値を適正に繁栄する市場にするための、適正な評価や規律を与える場に資本市場を変えていくことが必要。また、運用実績の評価などにより、運用効率を高める仕掛けも必要である。
■コングロマリッド戦略が真の金融未来像か?■
日本のメガバンクが複合化したのは、「Too Big to fail」(大きすぎてつぶせない)状態をつくるため。一方、シティバンクは保険部門の売却を決めるなどの動きもある。コングロマリッドによる超領域サービスを生み出すことができるのか、選択と集中の道を歩きはじめるのか、今後の金融業のあり方について、継続して考えていきたい。
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