Inspired by リクルート Works 2004 Jun-Jul.
戦略の定義 by 宗定 勇氏(日本知的財産協会専務理事)
敵や競争者がいる場において、これを排除し、自己の力をその場へ拡大するか、または逆にそれをさせないように防ぐために、多くの場合、多数の人間から構成される組織のメンバーが、そのなすべき行為の種類、時点、場所、相互関係を十分に理解できるようにプログラム化された思考のシステム体系であって、次のような特徴を有する。
- 一定の設定された目標成果(戦果)がある
- システムの各要素が合目的的、階層的にくみあわされている
- 戦略実行のために利用可能な組織内・外の資源の制約条件が前提として十分検討されている
- システムの基礎に直感的判断があるが、その直感が冷静に主主の観点から検証され、上記のような特徴を備えるまでに高め、広げられている
- 明示的である。以心伝心ではなく、禅問答ではない
- 一定の合理的説得力を有する
戦略の定義は諸説あるが、成立する要件を定義している点で、同氏の定義は興味深い。なお、ドラッカーは、「戦略とは、自社の現在の立ち位置、それをこの先どこへ持って行きたいか、そして、どうすればそこにたどり着けるかを理解すること」だと定義している。企業に、将来に対する明確な見通し、つまりどの市場で事業を進めていくか、どの程度の速度でどのくらいの規模まで成長できるか、どのように差別化を図るか、顧客に何を提供できるかについての理解を共有することであるというから、同氏の主張とも一致する。
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