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慶応大学SFCは、2007年度より未来創造カリキュラムをスタートさせた。「問題発見・問題解決」の知性喚起を狙うこの構造は、なかなか興味深い。
研究会という大きな塔を「先端支援系科目」と「創造支援系科目」の二本柱が支えている。先端支援系は、先端研究を行っていくための前提知識を扱う科目であり、研究を行ううえでの基礎を学ぶ先端導入科目と、より分野に特化した内容を学び、知識や考え方を深める先端開拓科目とに分類される。
それぞれの学部で、合計6つの領域がある。
- 総合政策系 : 「社会イノベーション」「公共政策」「国際戦略」
- 環境情報系 : 「地球と環境」「生命と身体」「情報とメディア」
- 共通(先端発見科目) : 公共政策、リーガルマインド、ソーシャルイノベーション、都市と地域の未来、スポーツビジネス、言語と認知、地域システム、生命システム、インターネット、モノ創りの科学、デザイン言語
もう一つの柱は、「創造支援系科目」。「未来創造のためには、あらかじめ答えの用意されていない問題に取り組み、自ら何かを生み出し、実践していく姿勢が必要不可欠」との考え方から、デザイン・シンキングを重視する。そこにある基本的な姿勢は、「最初はうまく実践できないとしても、そこから始まる学びがある」というもの。
「創造技法科目」「創造融発科目」「創造実践科目」で構成される。
- 創造技法科目(何かを創造し、実践していくときの基盤となるスキルや背景知識の習得) :
「社会実践」「キャリアデザイン」「デザインと情報スキル」「プログラミング」「ナレッジスキル」「言語コミュニケーション」「ウエルネス」(「ビジュアライゼーション」「アカデミックライティング」 - 創造融発科目(知の営みや潮流を歴史的、世界的な大きいスケールで捉え、最先端の研究活動から一歩引いた立場からモノゴトを根源的に検討することで、さらなう高次への飛躍を狙うもの。異領域のコラボレーションの誘発) :
例:パターンランゲージ、モノ創り実験工房、身体論、インタビュー法、量子的世界観、モノと情報 - 創造実践科目 :
未来構想ワークショップ、政策デザインワークショップ、リーガルワークショップ、電子おもちゃ設計ワークショップ、ライティング技法ワークショップ、多言語コミュニケーション実践、デザイン言語実践、空間とデザイン
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