Inspired by Nikkeinews 20080318 経済教室
「これまでの経済社会では、温暖化ガスの排出量を増やしながらGDPを上昇させてきた。だから、温暖化対策で排出量を制限すると、経済規模が縮小化する」
なんとなく、私たちが抱いている思い込み。本稿では、炭素削減と経済成長の両立可能性を探っている。今年度から始まる京都議定書では、90年比でマイナス6%の削減を目指すが、排出量あたりのGDPは高まっていても、06年度の炭素排出は90年比6.4%増と、両立の実現が容易でないことがわかる。
再生可能エネルギーの導入などによる化石燃料依存率の低下と、省エネによるエネルギー効率の向上が両立のカギを握る。日本ではかつて73年から86年の十三年間、炭素原単位が著しく低下した。石油価格の上昇は、短期的にはエネルギー使用の抑制、長期的には省エネ技術の開発活性化を促した。現在、日本ではエネルギー効率水準は世界有数でEUや米国の約1/2。一方、再生可能エネルギーの導入は約5%EUを下回る。
この二つの動きを活性化するために、炭素税(税率の変更には時間がかかり迅速な変更は難しいが、税収によって政策的な財源として使用することが可能)と、排出量取引制度(市場を通じた自律的作用により排出量の削減を促す)のパッケージとして導入するのが望ましいとされている。
最近のコメント