Inspired by Nikkeinews 20080327 経済教室 細田衛士慶応大教授
CSRをアピールする企業各社。それでも環境偽装問題は後を絶たない。この問題に対し、細田教授は二つの相互にかかわりあう問題が重なって現れたと指摘する。
- 環境保全・貢献の観点で、企業統治する意識や体制の不足
- 静脈資源(使用済み製品・部品・素材など)をどう確保するかという問題
公害時代の緊張感がなくなり、従来型の環境問題への対応がいい加減になった。動脈経済(製品・部品・素材などの設計・生産・販売・消費などにかかわる経済)では、原材料の品質チェックは当然のことになっているが、使用済み製品・部品・素材などの回収・収集運搬し、処理・再資源化する経済での品質チェックは十分に行われていない。
今後は、ユーザ→メーカー→リサイクル原材料供給業者という流れで、資源調達連鎖にそって品質の高いものを必要量確保できなければならない。東アジア圏域諸国からの需要が高まるなか、資源調達連鎖をたどって高い質の静脈資源を確保する能力を向上させる必要がある。その実現に求められるのは・・・
- 情報の獲得・管理能力の向上
静脈資源の発生場所や品質などに関する情報が必要となる。またつねに質をチェックできる体制がなければならない。立ち入り調査などによる品質確保もすべきである。- 高品質資源確保のためのパートナーシップ
古紙問屋などとの信頼関係構築が不可欠。集団回収→古紙問屋→製紙会社→再生紙ユーザという資源調達連鎖を強化すべきである。
細田氏は、意識を変えるためにも環境ガバナンス強化の体制として、以下の方針を提示する。静脈資源の連鎖、新しい生態系モデルの提示はきわめて興味深い。
- ユーザ、ステークホルダーへ積極的な情報開示を行うとともに、ユーザ(ステークホルダー)によるチェックの受け入れ体制を構築する
- 企業が誰に対して説明責任を果たすのか範囲を確定し、説明責任を果たす
- 資源調達連鎖システムの構築をすすめる
最近のコメント