Inspired by 『デザイン思考がビジネスを革新する』 デザインエクセレントな経営者28人の極意
デザイン・エクセレント・カンパニー賞で評価された各企業の取り組み。
「デザイン=意匠」。意匠とは、意を匠すること。英語でデザインを“to creat social intent”といった人がいたが、人類の意志や鉄学、理念を創造することがデザインである。本来のデザインとは、ある物事や事象の本質を社会という空間に「意味」として伝達し、時間の流れを超えて「文化」としての存在価値を与えていくという機能のための概念です。
- 「街へ出たくなる車いす-性能と機能美の追求」
㈱オーエックスエンジニアリング 石井会長
「かっこいいだけではない、機能がなかったら死んでしまう。我々は芸術を作っているのではなく、機能をデザインで具体化しているのだ」「若い障害者は将来を心配して暗くなり、外に出られない人が多い。そんな若者たちが外に出たくなるような車いすがつくりたかった」「新しいものはいつもOXから生まれる、そんな存在でありたい。未来を開発する、それは企業理念でもある」 - 「銀座文化を継承し、100年以上愛され続けるステイショナリーの殿堂」
㈱伊東屋 伊藤社長
「伊東屋には華美な商品はありません。機能そのものを尊重するため、余分な装飾は必要ないと考えています」「意識的に海外出張をこなし、良いものと触れる機会をつくる。自分をちがう環境において、目に入るものを純粋に良いか悪いか感じるようにする。きれいだなと感じたら、なぜそう思うのか、それを考える。それを何度か続けると、良いと思った理由が分かるようになる」「『銀座らしさ』をつねに意識する。ずるいことはしない、競争はしても人を蹴落としてまで前に移行としない、上に上がるのも人を踏みつけるのではなく、自らの努力でやるべきもの、独立自尊の高い志で努力し続け、ひとつの哲学のもとに生きている・・・」 - 「伝統技術を継承しながら持続可能な社会構築のため自然との“共生進化”をめざす
オークヴィレッジ㈱ 稲本代表
「何もなかった山間地での事業開始。私たちを支えたのは飛騨の匠から伝承した日本の伝統技術と、創立当初から掲げてきた三つの理念「100年かかって育った木は、100年使えるものに」「お椀から建物まで」「子供一人、どんぐり1粒」。「時間が創りだす木工製品の輝きがある、使えば使うほど味わいが出て、いとおしくなる・・という喜びを提供する」「木の文化の教育機関、“森林たくみ塾”で伝統的な技術の継承を図る」「好きだからという理由で職業を選んではいけない。それでは趣味になってしまう。プロになるためには才能のある職に就くべきだ」「デザイナーは職人が持っている技術と素材のことを分かっていなければ良いデザインはできない」「創業以来、注文生産で家具や建築物を製作してきたが、それらは一般的には高価なものだった」「ある時に友人から、『オークヴィレッジの製品はすばらしいと思うが、私には買えるものがない』と言われた、その言葉をきっかけにして、稲本氏はオークヴィレッジの在り方について考えることになる」「オークヴィレッジの存在自体を世の中にもっと開くことが、三つの理念を実現するためにも大切なことだと考えた結果、改革を決意する。最初に行ったのは、コアとなるユーザーへの説明。なかにはメジャーな存在になることを嫌う人もいる、そのような人々にオークヴィレッジの理念を改めて説明し、新たな層への展開と、建築物への注力を説明し、未来を切り開くことへの同意をしてもらったのである」 - 「『お客さま』を中心にすえ、『社会最適』の精神で流通革命、日本のオフィスを変えた」
アスクル㈱岩田社長 - 「加賀絹発表の地で長い伝統と技術が培ったジャガード折の老舗」
小倉織物㈱ 小倉社長
「織物は、感触産業と呼ばれる。女性はとくに感触、風合いに対する要求が厳しい。このニーズにこたえるには、織物の公定を熟知していることが必要だ。」「織物は、縦糸と横糸の組み合わせで無限の織り方ができる。歴史があるほど、技術と知識の蓄積がある」 - 「コーポラティブのプロは資産を最大限活用してすべての人を笑顔にする」
㈱都市デザインシステム 梶原社長
「コーポラティブは素晴らしい仕組みだが日本では難しい、その言葉をバネに、独自の融資スキームをつくりあげ、高範囲にわたる関係者をコーディネイトして、コーポラティブハウスを完成させた」「そのような努力を続けることで独特な能力を得た。資産を最大限有効に活用して、お客さまを喜ぶことを実行する能力である。関係するすべての人に利益になる企画を立案し、コーディネイトする力、人々が協力する仕組みを作り上げ、事業を展開する手法・・・、彼らはコーポラティブな仕事のプロなのである」「これまでコーポラティブハウスに関わった人々は、すべて建築家などが中心で、金融・不動産について詳しい人がいなかった」「人が集まるところには必ず“コーポラティブ”な仕事がある。都市デザインシステムには、金融関連のスキームを作り上げる緻密さがあり、人々の意見をまとめあげるコーディネイト力があり、他社がまねできない斬新な企画力やデザイン力がある。」 - 「作り手の誇りと喜びが詰まった、最上級のワインを産みだす」
㈲ココ・ファーム・ワイナリー 川田園長
「1969年、知的障害者更生施設「こころみ学園」として認可され、ぶどうとシイタケの栽培を中心とした農作業を通し園生の自立をめざす。中学校教諭だった川田氏が特殊学級の子どもたちとともに勾配38度の急斜面3ヘクタールを開墾し、600本の苗木を植えたことから始まっている」「消えてなくなるものに、渾身の力を注げ、ワインもひとたび飲んでしまえばなくなってしまう。だからこそ、真面目に正直に手抜きをしないで造ること。効率や採算を度外視した「本物」のおいしさを持つワインを造る」 - 「義肢や装具の世界で“日本発”を作ろうという気概」
川村義肢㈱川村代表取締役 - 「関わる人すべてにやさしいユニバーサルデザインをめざす」
パラマウントベッド㈱木村副社長 - 「地場で磨き上げた技術力と国際色溢れるデザイン力で、アイウェアの可能性を切り開く」
アイテック㈱黒田社長
「日本最大のめがね産地、福井・鯖江で誕生し、この地で培った、メッキ加工の卓越した技術力で、めがねの表面処理市場のトップシェアを誇る業界のリーダーである。同社の会社経営を津蘭久野は“NEMA活動”と呼ばれる経営手法。情報開示、社員同士の活発な議論で社内の透明性を高める。掲げるスローガンは“ヒューマン&クリエーション”。人を中心にすえたポジティブな姿勢が印象的である。」「技術と品質で表面処理およびめがねビジネスでグローバルニッチトップ企業をめざすという矜持の本、地域の自然や環境を守りながら、21世紀型の事業を実践する。その一つが“オーパス・デザイン・アワード”、国際的なデザインコンペティション。ファッションデザイナー渡辺雪三郎、銅版画家山本容子、インテリアデザイナー内田繁、めがねデザイナーアラン・ミクリなど第一級のクリエイたーが参加。アイウェアの未知の可能性を開くこのデザインアワードは、めがね業界の活性化とデザイン力の底上げや、めがねに関心のある潜在的なデザイナーや顧客を取り込むことにもつながる。『この知的財産をいかに活用するか。われわれのシステムやライブラリーを提供し、商品を開発することも可能です。』」「同社が推進するNEMA(New Eyetec Management System)とは京セラグループの実践するアメーバ経営(会社を細分化・小集団化させて目的達成を図る)を独自にアレンジしたもの」「競争と協調の中で理念を共有して取り組もうとする、、大変に日本的で合理的な考え方」「同社では30年以上前から経営情報をディスクローズする経営懇親会(月1回)という定例の場がある
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