Inspired by Nikkeinews 20081206 世界を語る MBA教育の転換点
未知の脅威が迫り、過去の成功体験が効かない昨今、将来を担うビジネスリーダーはいかに育成するべきだろうか。
未曽有の金融危機は、金融工学を駆使したデリバティブが問題を複雑化させた。ビジネススクールから生まれたものも多い。教育現場はこれをどうとらえるのか。
「金融には二つの側面がある。ひとつは、資本から最大の利益を生み出すこと。もう一つはリスクを個人や法人などに分散すること。これまでは前者に研究が集中しており、リスクへの十分な理解が進んでこなかった」
「レバレッジ・バイ・アウト(買収先企業の資産を担保に資金を借り入れること、少ない元手を多額の借入で膨らませる方法で買収ブームを呼び込む)、クレジット・デフォルト・スワップ(企業の倒産で融資が戻ってこなくなることを想定し、保険会社などが元本の支払いを保証する金融派生商品、リスクを拡散しすぎて市場全体像が見えなくなった)は、リスクについて複雑性を高め、担当者が自分が何を売り買いしているのかまるで理解できないレベルに進めてしまった」
「また、今回の危機では住宅の資産価値が急速に下がったため、皆が焦って売却を急ごうとした。このような人間心理と投資判断に関する研究なども重要である。」
利益偏重主義の風潮を生み出したとされるビジネススクール。右肩上がりの時代は、ビジネススクールでも緻密さよりも、経営会議で同僚を説得するカリスマ性が重視され、金融機関では投資銀行部門に比べ利益率の低い銀行部門は肩身の狭い思いをしていた。
今後は、サステナビリティなどに関し、革新的な提言ができる人材の育成が重要になるという。
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