Inspired by Nikkeinews 雇用賃金
ワークシェアリング
2002年に浮上した、ワークシェアリングへの注目が再燃している。今回は、不況期の対策である緊急避難型に注目が集まっており、週休三日制の導入などがトヨタ、日産、ホンダ、東芝などで検討されている。
ワークシェアリングにはいくつかの種類がある(ほかに、雇用維持型(中高年雇用維持型)、
雇用創出型)が、先行国として有名なオランダは、82年に社会全体で長期的に雇用を増やそうと、以下の多様就業対応型の取り組みを行っている。
- 労働側が賃金抑制、経営側が安定雇用、政府が減税と痛み分けの合意を行った
- 労働法の改正を通じて短時間勤務を正社員に認めるなどして雇用を増やした
2002年の時点で、日本に多様就業対応型のワークシェアリング導入が進まなかったのはなぜか。日本の職場は仕事の範囲や責任が不明確で仕事を分担しにくいから・・・との声があるが、「短時間勤務が可能な業務」を明らかにし、その導入を検討することも可能だったのでは・・。未来につけを残す働き方を、今度こそ見直す好機にするべきである。
同一労働・同一賃金
1951年国際労働機関(ILO)が採択した条約で、「同じ価値を生む労働について、男女間での賃金格差を禁止」した。日本も67年に批准し、労働基準法でも差別的な取扱いを禁じている。
雇用者全体の1/3が非正規と言われる中、30歳代以上で賃金の差の開きが大きくなっている(平均正:31万8200円、非:19万2900円)。日本は、雇用保護、福利厚生などでも差が大きいと指摘されている。
短時間勤務の正社員など新たな雇用形態が増えてくる可能性が高い、ワークシェアリングが労使交渉の焦点となる、など雇用形態の違いを超えた時間当たりの賃金の均衡が期待される。
課題は、待遇の二重構造を連合が指摘しても、実際に経営側と交渉する個別の労組とは温度差がある点である。「労組が正社員の課題ばかりに目を向けると、経営側は使い勝手のよい非正規を増やす可能性が高まる。結局、正社員の雇用を失いかねない」(慶応大学樋口美雄教授)など、大局視点で取り組む労組の在り方が問われている。
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