Inspired by Nikkeinews 20090210 プロムナード
フランス文学者の鹿島茂氏が、外国人に日本文化の特徴を説明するときにつかう二分法が紹介されています。くすっと笑ってしまう表現と、その本質をついた見事な分類に、思わず目がとまりました。
- ソバ的ベクトル
そば、つゆ、薬味など各要素の選択において制限的。均整と禁欲を旨とするクラシック(古典主義的)な食べ物。「通」「粋」というのは、ソバのような制限的・禁欲的な制度の内側で初めて生まれる評価である。ほかに、和歌(短歌)、俳句、能・狂言、日本画、相撲など - ラーメン的ベクトル
最低限のゆるいルールと定数があるだけで、あとは何でもござれの多形的な方向。スープはトリガラ、トンコツ、鰹節・・・、メンも粉、硬さ、太さ、いずれもさまざま。具に至っては、ないものはないという状況。無限の変容と進化を許容する、逸脱と変容を旨とするバロック的な食べ物。評価の基軸は、外延をどこまで取り込んで新機軸を打ち出し、既存の要素と調和させたかにある。ほかに、歌舞伎、日光東照宮、まんが、アニメなど
禁欲的な美しさと、外延を取り込む柔らかさ、確かにどちらも私たちの心をとらえて離さないものですものね。
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