Inspired by Nikkeinews 20090420 経済教室
2007年度、異常気象や温暖化による生態系の変化は、大気中のCO2濃度が不可逆的な気候変動がもたらすレベルに上昇するまでに時間的余裕がないことを警告していた。それでも、実際の排出削減の動きは遅々としていた。
ところが・・・、経済危機でこの状況は一変しそうだ。各国の発表するグリーン・ニューディール政策(自然エネルギーや環境分野への大型投資で景気浮揚を狙う)」では、経済政策(景気刺激)、環境政策、産業政策といった複合的な効果を期待し、実行の手を早めている。
日本は、太陽光発電や電気自動車などで世界に先行する技術を持つ。しかし、環境技術の優位性の持続期間は必ずしも長くないとする意見もある。技術優位性が高くても、産業政策的観点から政策を行うタイミングを逸すれば、量産化に途が付いても結局産業として創造されないリスクがある。
普及促進のために、研究開発段階、事業化段階のどちらかに政府が関与するケースが多いが、日本では「バイスピン型」と呼ばれる、両段階で政府と民間双方が相互に関与する。しかし、経済危機を背景に企業サイドの動きが遅れる可能性があるときには、政府の関与は強める必要がある。
新産業育成政策の類型と政府の関与のモデルを参考に、優位性をテコにする政策導入を期待したい。
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