物事を経営的立場から見ることと、労働組合的立場でみることでは、常識と非常識の見立てが変わる。たとえば・・、
- ボーナス は会社がひじょうに得をする賃金の支払い? そうなんです。賃金は残業単価や労災で支払われる一時金の算定基礎に入っていますが、ボーナスは入らない。では、なぜ労組がボーナスを削って賃金のアップを図らないかといえば、組合員のボーナスへの期待が大きいこと、会社は月額アップには慎重だが、ボーナスは比較的理解を得やすいので、交渉の最終局面では取りやすいところから取ることが出てくるからだ
- 残業割り増し手当て、これは個々人からすればありがたい。成果主義で社内競争が厳しくなるなか、残業をして、割増率25%などの残業代が支払われるのだとすれば、仕事への意欲あるものは残業を正当化したくなる。しかし、そもそもなぜ「割増率」があるのか、考えてほしい。残業は、経営にとって新たに人を雇うよりも都合のいい(ここでは原資の少ない)システムであるからだ。これが、わが国の要員不足・長時間労働を呼んでいる大きな要因のひとつ。残業の割増率が高まることを喜んでいる場合ではない。
- 昨今は、ベアゼロが普通に見られる。それでも、個々人でいえば、毎年定昇相当分の昇給があって、上昇するから、「賃金があがっているのだからいいじゃないか」と思ってしまう。 実際には、会社は原資の総額を増やしているわけではない。
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