Inspired by Nikkeinews 20100222 経済教室 金富士通壮健主席研究員
日本でのボリュームゾーンは年間可処分所得が350万円以上の高所得者層72%。50万円以上で350万円未満のミドルクラスは約25%。
一方、中国は高所得者層は1.4%(1900万人)、ミドルクラスは33.4%(4億4536万人)存在する(なお、50万円未満のローエンドは65.2%(8億6587万人)。
日本企業は試行錯誤によりハイエンド市場では一定のシェアを獲得してきたが、残る98%の市場、ミドルやローエンドの市場開拓はこれからだ。フィールド調査によれば、日本製品は「高品質」だが「コストパフォーマンスがよくない」「現地市場での対応が遅い」との評価が多い。ミドル市場の主役20~30歳大の顧客や都市部のサラリーマン層は適正な価格を求めつつ、新商品、新技術などの流行に敏感だ。彼らの評価や信頼を得るためには、「高品質」という日本企業のブランドを守りつつ、コストパフォーマンスや市場変化への迅速な対応が求められる。
では、ハイエンドでの成功体験を持つき業が不慣れのミドル市場にむやみに経営資源を投入するべきかといえば、そうではない。金氏は、ハイエンド市場が急速に拡大しており、自社のプレゼンスが高く、利益率も教授できる状況なら、とりあえずハイエンドに資源集中すべきと説く。しかし、ミドル市場に魅力が増している場合には、ハイエンド市場と両にらみで考え、自社の複数の商品、サービスなどが相互に競合してシェアを侵食しあうことのないように考えることが求められる。
では、いかにミドルを開拓するか。日本企業はつい、開発・製造コストの削減に関心がいくが、むしろ流通コスト、販売コスト、販促コストの占有率を見直す必要がある。資生堂も、自社社員のビューティコンサル職を通じた対面販売ではなく、専門店販売主体への教育を徹底し、割高の間接費用を削減している。
品質を落とさずに、コストパフォーマンスを落とす方法を模索する。
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