Inspired by NikkeiBP 20100221 今を読み解く
京大岩井教授による、最近の若者消費論。交際人数、交際回数が、メールや携帯電話で増大。人間関係の網の目に埋め込まれ、いくつものネットワークの中で村八分にならないようにする・・。
ニューヨークでは、「景気が回復しても、以前のような派手な消費行動をしない」と語るニューノーマルと呼ばれる新しいトレンドがある。好景気を知らない若者の「持たない」消費行動は、時代の先の感覚を表しているのか、それとも人間関係に縛られた、狭隘な世界のなかで消費行動もままならないのか、自分ごととして捉えていきたい。
- 『欲しがらない若者たち』(山岡拓著) 車は欲しいと思わない、ブランド品に関心がない、酒よりもスイーツを好む、休日は遠出よりも自宅近辺で過ごす、今を楽しむよりも将来に向けて貯蓄する
- 『偶然ベタの若者たち』(関沢英彦著) 安定した暮らしを求める傾向が増える若者。リスクを回避しようとして達成可能な範囲で目標を定めるような生き方では、予期せぬ出来事をチャンスに変えることはできない。偶然を活用できる力が落ちていないか。
- 『近頃の若者はなぜだめなのか』(原田曜平著) 携帯電話や電子メールの浸透が、若者の人間関係を根本的に変質させてしまった。10代の携帯の電話帳の平均登録人数は93.4人、一日の平均送信メールは20通。いくつものネットワークの中っで村八分にならないために「小さな消費」を大量にしている。他者が自分の姿にどのように反応するのかを想定しながら、ネットワークからはじき出されないように振舞う。
- 『なぜ若者は保守化するのか』(山田昌弘著) ブログを読んで「経験したことがないのに、どこかで経験したことがあるように錯覚してしまう」。終身雇用や専業主婦願望の高まりも、男女が平等に競い合う社会にいる自分の姿をネガティブに疑似体験した結果、まだはじめてもいない競争に疲れ、安定志向が強まったとも考えられる。
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