Inspired by Nikkeinews 20100113 清成忠男
環境・エネルギー(グリーン)・健康(ライフ)分野を核とする新成長戦略。その担い手は誰か、清成氏は日本では数多く存在する水準の高い中堅・ベンチャー・中小企業の力を束にすることが重要と説きます。あ
そのために、個々の企業を支えるのではなく、クラスター(産業集積地)を支援する政策に重点を置くべきというのが清成先生の主張なのですが、これはドイツやフィンランドでも導入された都市と地域の格差解消にもつながる、取り組みでもあります。
(右図参照)クラスター内部で各企業はネットワークを形成する。その中には、ハブ企業、加工企業、企業支援サービス企業、大学や研究機関などが存在する。組織を超えて異質な人材が交流し、お互いが刺激されて知的な摩擦が生じ、新しい知識が創造される。 ハブ企業の役割が重要だ。製品や基幹部品の開発・設計能力を有する中堅・ベンチャー企業である。ハブ企業が仕事を作り出し、その仕事を高水準の加工技術を有する企業が受けるという連携構造をとる。先端産業では、ITとバイオテクノロジー、ナノテクなど、異なった技術領域が融合しているという特徴があるため、異業種企業間の連携が求められる。国境もこえる。 クラスターでは、ハブ企業や加工型企業を支援するサービス企業が一定の役割を果たす。創業支援、情報提供、コンサルティング、知財管理、人材の教育・訓練などである。 クラスター内部は、各組織をつなぐプラットフォームそしきの構築が重要となる。企業間の調整・連携を担い、クラスターのマネジメントを行う。企業連携が円滑に行われるよう、企業相互の信頼関係を結び、クラスター運営のガバナンスにも注力する。 このように、専門人材ではなく、広い視野から全体を統合する思考力を有する新しい専門家が求められる。すでにこのような動きが、長野県「次世代産業の核となるスーパーモジュール供給拠点」構想、浜松・東三河地域の「光・電子技術イノベーション創出拠点」、岩手県の「北上川流域を中心とするものづくり拠点」、沖縄県の「健康・バイオ産業振興発展に向けた産学官連携拠点」などのクラスターで広がり始めているそうです。 ベンチマークはドイツ。40の地域に9文や、100を超えるクラスター拠点を有するといいます。クラスターの活動主体は6割が中小企業。中小企業と地域を軸とする新産業創出戦略があり、同時に連邦経済技術省が手がけるプラットフォーム組織「コンピテンスネットワーク」は10年の実績を積んでいる。「目利き」がネットワーク化の質を担保。バイオテクノロジー、健康・医療、エネルギー・環境、IT、航空など9分野の専門家を用紙、イノベーション推進の具体的な支援を行っているとのこと。中央と地方の政府間連携がこれを支えています。
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