世の中の認識って、どうしてこんなにゆがめられてしまうんだろう・・・と思うことって多い。しかし、信じて行動しているとその通りになることも多い。心理学的には、Social Reality と呼ぶらしい。たとえば、血液型による性格の差異は、科学的な根拠はまったくないのだが、「B型はおおざっぱ」「O型はおおらか」などと言われるうちに、それを信じて行動するようになる、結果として血液型によって性格の差異が生まれる・・・という構造があると解く。
こんな話を聞くと、世の中の共通認識ほどあやしいものはないと思う。今朝の新聞でも「小さな政府」に関する国民の勘違いが指摘されていた。
「小さな政府を志向するのは、公的介入をできるだけ少なくすることで、経済を効率化、活性化することが狙いである。小さな政府への流れが強まってきたのには、思想的な背景がある。20世紀以降、失業、福祉などの市場の失敗が生じやすい分野は政府にゆだねるべきだとする考え方が強まり、これが大きな政府を生んだ。しかし、1980年以降、公的部門の肥大化により弊害が目立ってきた。そこで、もう一度民間にゆだねるべきとの議論が強まった。日本の場合は、このような国民的議論を下手上で、小さな政府への合意が形成されたとは言いにくい。単に、増税を避け、歳出削減のために政府をスリム化する必要があるという、国民的願望があるだけだ。」
小さな政府が、大きな政府化の揺り返しであるとすると、単純なスリム化が大きな弊害を生み出すことは想像に難くない。問題は、このような思想的背景を知らずに、私たちが物事を単純化して見ていることである。本記事では、「小さな政府の推進しても増税が不可避だと知ったときに、国民は裏切られた気持ちになる」と予測する。おっと、勘違い・・。
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