今春の米国で、『The World is Flat』という本が話題になった。著名なジャーナリストT・フリードマンが、国際的なビジネスを展開する上で、時間、空間、国境の障壁が劇的に焼失した実態を描いている。
今日の日経新聞(「核心」)でも、「The World is Flat」な時代の経営の象徴として、iPodが紹介されていた。
「iPodの成功の秘密は、第一にウォークマンがハードウェアであったのに対し、iPodは音楽配信サービスのiTunesと連携した、ハード+ソフトの複合体である点だ。第二に、IPodのハードそのものも、日本メーカーなどとは戦略が大きく違う。iPodの商品コンセプトや外形デザイン、機能などの主要仕様はアップルが手がけるが、部品を含めた製造はほとんど外部メーカーに依存する。アップルは半導体産業でいう、ファブレスにとどまる。」
「MPUは、シリコンバレーのベンチャー企業が、インドの技術者を駆使して開発。製造は台湾メーカー、パッケージテストは韓国と台湾、フラッシュメモリーは東芝、最終組み立ては中国で・・・。」
「アップルは持ち味の独創的なデザイン力に加え、開発期間の短縮、汎用部品の徹底活用で競争力を高めている」
一方、日本メーカーは価値は自社内から生み出そうとする。垂直統合にして、内部をブラックボックス化し、付加価値づくりの模倣を妨げる戦略だ。垂直統合か、水平分業か。この議論に単純な解はないが、「ハードをつくる」「模倣を妨げる」という旧来の製造業の延長を志向する日本型と、「ハード+ソフトの複合体をつくる」「模倣しやすいハードは競争力を徹底的に高め、模倣が難しいソフト(デザインなど)で差別化を図る」アップル型を比較しろと言われたら、やはり後者を選ぶのではないだろうか。。。
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