Inspired by Nikkeinews 20070105
「格差社会の本質は、不信感社会ではないか」
この指摘にドキっとした。日本は信頼社会と言われ、相互扶助の精神が高い国民性を持つといわれてきた。今後の知識時代を航海するときに、この「信頼のパワー」は価値創造の重要な促進要因である。
だけど、本当にそう?そんな折、社会学者の山岸俊男氏の著書『安心社会から信頼社会へ』(中公新書、1999年)を思い出した。関連blogを検索したら、『WEB進化論』にも触れた興味深い投稿を発見。Web進化論でも、今後は不特定多数の人々の信頼感に基づく開かれた社会構築の重要となると指摘している。一方、山岸氏はかつての日本を村落共同体、終身雇用による会社共同体など、固定的な安心社会であるとし、今後は、相手の「能力」への期待と「意図」への期待によって緩やかにつながりあう信頼社会へとシフトすることが重要と説く。
ここ数日、格差問題に関する各種論調を読み比べて見たが、もっともらしいと感じるのは、戦後以降の第二次民主化が日本社会で進みつつあるという指摘。この胎動は、日本の社会を支えていた安心社会の価値観を崩していく。そのときに、不信感社会に陥るのか、信頼社会へと進化を果たすのか、今はその重要な岐路に立っている(気がする)。
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