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「目的」と「目標」。意味の違いをきちんと理解していないと、大きな誤りを生む言葉である。たとえば、企業では「数値目標」なるものが飛び交うが、「経営目的」がないがしろになっていることが多い。
ドラッカーによれば、企業の経営目的は、「顧客の創造と顧客の維持」である。数値目標は、目的を達成するための手段として、設定するもの。目標にとらわれて、短期・中期の数字に追われていくと、本来の目的を見失う。
本記事では、日産を例に、分かりやすい「数字目標」という手段の弊害を説いている。
また、モチベーションの視点からも、目標やコミットメントが優先する弊害があると指摘する。短期的には意識しやすく分かりやすいものでも、達成してホッとするたびに新しい目標が降りてくることは気疲れする。また、目的を意識して仕事をすると、日々のクライアントとの会話などを通じて成長を感じられて、可能性を実感できる。そのため、モチベーションを高くつづけ、疲れにくい。本質を追求することが、自らへの誇りや重要性の実感につながる。
そのため、社員のモチベーションに着目した場合、目標数値の明確化よりも目的の明確化のほうが効果的である。奇しくも、ゴーン氏の明確でわかりやすい目標数値が、日産の従業員をして「顧客の創造と顧客の維持」という目的を忘れて数字におわれる毎日を過ごさせていたのかもしれません。そのきしみが、ここにきて顕われたのです。
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