Inspired by Nikkeinews 20080205 経済教室 人的資本研究報告 日本経済研究センター
人口減少社会を迎え、雇用が流動化する中で、人を育て、質を高めることが、ますます重要になっている。人的資本をいかに育て、それを経済の中でいかに活かしていくかという観点から、3つの方向からの分析を試みた。その結果、「時間」「女性」「生産性」の3つのキーワードが人的資本を向上させるために重要であることが明らかになった。200829223820.pdfをダウンロード
この結果によれば、女性の大卒就業者は一度退出すると「仕事を主」とする形で戻ってくることは稀であるため、会社も能力形成のコストをためらうという循環を生み、女性就業者の生産性が低いという結果を生んでいるという。しかし、35歳以上の女性就業者は生産性が高いことから、先進国並みに継続就業や再参入できれば、生産性の高い労働力を確保できると指摘。
また、人材の採用、育成、活用に関する日本企業の意識は次のように集約されるという。
- 日本企業は、「長期雇用・成果主義賃金・ローテーション型の教育訓練」という組み合わせを志向しているようだ。アングロサクソン型「弾力的雇用・成果主義賃金・専門性重視の人材育成」でも、従来の日本型でもないハイブリッド型へ
- 女性の戦略的活用。今後、女性の雇用比率を高めるとの回答が多い。また、女性活用に積極的な企業は収益性、将来性が高いという意識傾向がアンケートから見て取れる
- 非正社員の活用は相変わらず活発で、正社員化は、動きが鈍い。
ワークライフバランスに関する意識調査結果は、次の通り。
- 会社が提供している教育と自己啓発の努力は比例する
- 「時間の不足」が自己啓発を妨げる最大要因
- 女性の就業継続を後押しする施策は、「正規雇用のままで短期勤務の選択が可能となること」
これを受けて、人的資本形成のポイントとして、「時間」「女性」の価値重視型への転換を提案している。賃金、扶養控除、雇用、税制などの制度的な仕組みを見直す、教育面から人的資本を高める、非正社員が格差をいつまでも引きずらないよう、キャリア形成支援を行うことが望ましいとしている
- 時間の価値を重視(労働時間を増やした見せかけ生産性向上をやめる)
ワークライフバランスをとり、長時間労働をやめることで、生活の豊かさや自己啓発を高める。女性の就業も継続しやすくなる - 女性の価値重視
これまでは雇用も男性が中心で、賃金格差も大きかった。今後も同じ扱いを続けることは、企業にとっても資源の浪費となる
最近のコメント