一人あたりの国内総生産は、OECD諸国で十八位になったことが、昨年末より話題になっている。IMD 国際競争力ランキングでも、日本は二十四位。
この競争力の低下を、「もはや「経済で一流」ではない」とみるか、為替レート換算ではなく購買力平価換算(物価を反映)でみれば「かつて一流だったことはない」と捕えるべきなのか、議論が交わされている。
いずれにしても、生産性をひとくくりに考えず、課題の焦点を発見することに意味があるようだ。
たとえば、大前健一氏は「生産性が高いのは、製造業だけ。サービス業はJapan as No.1と呼ばれた80年代半ばでも、米国100に対して日本40と圧倒的な差があった」と指摘。現在はそれが50ぐらいに改善された状態と、表現する■。
購買力平価換算主張派は、日本は貿易財の生産性が高いが、非貿易財の生産性が低く、悪い内外価格差を生んでいたことが要因と指摘。規制緩和により生産性向上が図られたが、国際比較の中で地位が向上しないのは、外国の生産性も上昇して相対的に地位が低下したか、日本の規制緩和が不徹底だったか、貿易財産業の生産性が国際比較で低下したかのいずれかの理由が考えられるとしている。
大前氏の指摘の通り、サービス業への就業者が65%を占めるなか、業務の体系化、IT化等を進めることができるかどうかが、やはり鍵なのだろうか。それとも、キャッチアップ型ではない、異なる価値軸を打ち出すことこそ、日本に求められる期待なのであろうか。
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