Inspired by Nikkeinews 20080401 一目均衡
商社は一定のサイクルで投資の規律が緩み、各社がほぼ横並びで変な投資をしてしまう時期があるという。バブル期の土地や財テク投資がその典型で、各社は後に巨額の損失を計上している。
三月に実施したJALの増資引き受け先には、三井物産を筆頭に六大商社が名を連ねる。JALの首脳によれば「よそがたくさんだすなら、いつももっと出したい」という声が多かったという。商社サイドにたてば、これを「将来の事業拡大の布石」「戦略投資」と言うだろうが、単独ならともかく、各社横並びの出資にどれほど意味があるのか、と指摘する。その影響力は相殺される懸念はないだろうか。
商社の「相乗り投資」は昔からありがち。商社が連合体を組み立ち上げた新電電は、寄り合い所帯で機動性を欠き、結局はモノにならなかった。旧DDI(現KDDI)の稲盛和夫氏のような迫力ある起業家の前に、歯がたたなかった。
「奉加帳(ほうがちょう)を回されてヨソも出すよと言われると、ついつい引き受けてしまう」とは商社幹部の談。資源高の追い風で潤う商社は、統治の規律、経営の規律がゆるみがちとなる。
お付き合い投資が成り立つ理由も、日本人の全体優先志向、協調志向でもあろうが、「稼いだカネを賢く使えているか、つかい道がない場合には株主に返す」という順当な精神を、いまいちど確認する必要がある。
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