Inspired by Nikkeinews 20080505 経済教室 大竹文雄阪大教授
昨今、男女間の賃金昇格格差をめぐる研究が盛んである。技術革新のおかげで、家事労働が軽減され、さらに体力差が職場での生産性の差にあまり影響しなくなっている現代で、格差解消進まないのはなぜか。その要因として、ここでは二つの理由を実験による仮説検証とともに示されている。
- 経営者の嗜好により女性を差別し、生産性よりも低い賃金しかもらっていない
(一橋大学の川口大司准教授の調査では、「日本では女性の雇用率が高い企業ほど業績が良いこと」、「日本の女性従業員は生産性よりも低い賃金しかもらっていないこと」が実証されている) - 統計的差別
(訓練投資費用を回収できるよう、長期勤続の可能性が高い男性社員に訓練を集中) - 競争に対する志向に男女差がある
(男性の方が女性よりも競争に参加すること自体が好きだったり、競争でより実力を発揮できたりする可能性について。迷路を解くゲームに出来高制と勝ち抜き制で報酬を与える実験を行った結果、女性はどちらのグループも同じ結果、男性は勝ち抜き戦でよりよい成績をあげた。同様に、徒競争、足し算ゲームなどの実験からも、男性の方が女性よりも競争好きで、同じ実力であっても昇格競争に参加するのは男性の方が多くなる。)
本稿によれば、競争に対する態度の男女差について父系的社会(マサイ族)、母系的社会(インド・カシ族)の男女差を調査した結果、母系的社会では女性の方が男性よりも競争が好きという結果となった。その結果、遺伝というよりも文化や教育によって形成されると推測されている旨を紹介。
「女性は女性らしく・・・」確かにそんなメッセージをたくさん受けて育ちましたよね。
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