「熱帯林や草原を農地に変え、穀物を植えてバイオ燃料にしよう」はまやかしである。
ブッシュ政権が農作物の価格政策として推進したバイオ燃料製造は、ミネソタ大デイビッド・ティルマン教授の実験により、その生産過程で、獲得されるバイオ燃料による削減効果の17~420倍も排出することが証明された。
ティルマン教授は、穀物からバイオ燃料をつくることはまったく逆効果であり、藁のような廃棄物自然に生える多年草で燃料を作るには炭素負債はないとした。
環境問題は、このような複雑な構造問題が多く、地球市民である私たちにとっては、机上の空論に振り回されることが少なくない。そんななか、ティルマン教授は20年間積み上げた実験結果により、生物の多様性が生物社会を安定させるなど、理論を生み出している。
20年間、実験を繰り返すことは、容易なことではない。先を見据えて、実態から逃避せず、知を蓄積する、そんな姿勢を大事にしていきたい。
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