内定取り消しなど、雇用不安が取りざたされています。
しかし、ワークスの大久保所長は、「バブル崩壊時に採用を抑制して、組織構造に空白が生じてしまった過去の苦い経験から、多くの企業は景況に関係なく一定数をとりつづける」と予測。問題なのは、非正規雇用者であると指摘します。
総務省の労働力調査によれば、非正規雇用者の数はバブル崩壊時で約20%だったが、現在は34.5%に上昇しています。2007年(好況期)に労働者派遣法が改正され、派遣の雇用期間は1年から3年に延長されましたが、派遣労働者の大多数が2009年に一斉に失業するという問題が表面化する懸念もあります。
大久保氏は、これまでの経験知をいかした雇用の在り方を、国家、企業、個人のレベルで考えるべしと指摘します。「CSRの観点から地域社会や従業員と人員計画をともに考えていく必要がある。また、前の不況期に早期退職に応じたホワイトカラーから多くの失業者が生まれたことを忘れてはならない」・・・。
私は実は労働組合の執行委員でもあります。正社員・組合員という守られた立場ではありますが、この既得権益を守りすぎることが、将来の大きなリスクにつながるのではないかと実感するようになりました。
一方で、「不況期に優秀な人材を集め、その後の好況期に大きく成長する企業を先物買いする」という動きは、石油ショックの時にも(新興フードサービス、チェーンストアの台頭)、バブル崩壊の時にも(ITビジネスの盛況)みられた。次の時代に有力な分野へ投資することも含め、立場をこえた雇用の在り方を考えてみる必要がありそうです。
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