Inspired by 妙心寺展@東京国立博物館
妙心寺展を見学してきました。禅の開祖のつつましさの中に美を発見する姿勢や、禅を守るために天皇家などその時々の政治力と結びつきながら、芸術も発展させていった歴史に触れることができました。
禅語も書としていくつか登場するのですが、「平常心是道」や「柏樹子話有賊機」という言葉が心に残りました。「柏樹子話有賊機」(柏樹子の話に賊機有り)は、関山慧玄の数少ない教えのひとつで、「日常の中にも悟りがある」ということ。「賊機(そっき)」とは、盗賊のようにすべてを奪い去るの意が転じて、あらゆる価値観を奪い去るという意味があるそうで、「宇宙の大生命は眼前の柏の樹の存在においてすでに示されているとの話は、人の気持ちすべてを奪い去る力(賊機)がある」。ただただ、目の前の自然が示す、日常のなかの悟りをいつくしむ姿勢を感じ取ることができます。
最近のコメント