Inspired by Nikkeinews 20090703
本記事では、旧来型モデルの二つの破たんを指摘する。
- GMモデル : 退職後の医療費まで保証し、従業員の帰属意識を高める共同体型「優しい会社」
- リーマン : 巨額の成果報酬を餌に収益ノルマを社員に課す「厳しい会社」
ドラッカーは、「工員も経営責任を共有する仕組みを作るべきだ」とGMにしたが、この声は黙殺された。日本も終身雇用・家族主義で成長してきたが、90年代以降は、雇用・設備・債務の三つの過剰を解消するリストラに走った。リーマン型の成果主義や非正規雇用へと一気に傾斜した。
この二つのモデルを行き来した日本。しかし、この二つのモデルの枠にとどまらない、新たなムーヴメントがある。サンフランシスコでは、ベンチャー起業家の新規事業発表会に300人が集まり、ビール片手に事業構想を仲間同士で相談しあう。グーグルやアップルでも、技術革新は世界中に広がりネットワーク化されている社外の開発者が支えている。本社は技術の基盤を提供するだけ。そのうえで展開されるプログラムはだれが書いてもいい。
従業員に手厚い家族主義、株主に手厚い成果主義、いずれかに過度に肩入れすることの限界を露呈した。リーマン&GMショック。経営にも、社員の一人一人にも、バランスを意識した行動や振る舞いが求められる時代。プラットフォームの在り方が、経営の勝負を握る。
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