Inspired by 20101125日経経済教室
日本の実質国内総生産は、12年度中にリーマンショック前の水準に回復するが、名目GDPは遠く及ばない。我が国経済は、次のような罠に陥っている。
企業はグローバル競争下で生き残りをかけ、財務体質の改善とコスト削減に傾注する。団塊世代の退出後も、バブル大量採用世代の人件費増加圧力が経営を圧迫する。
そこで、分社化や人事制度改正などを通じ、人件費の抑制を試みる一方、家計の期待所得の低下がもたらされる。正社員は働く場の確保を優先し、反乱しない。しわ寄せは非正規社員や新卒に向かう。現役世代は将来不安を抱え、教育費を除き、節約志向を続ける。安定志向が親子間で伝承され、受験競争の低年齢化や起業家精神の後退が進む。社会の各務と認識すべき事象である。みんなが閉塞感を抱え、いすとりゲームに座るためにもがいている。
こうした状況下、各種の増税措置の不安は隠さず、ばらまきを歓迎する。政治はこれに迎合し、分配重視の政治が続く。分配には財源が必要だが、消費税引き上げは腰砕けに終わった、となればとりやすい法人税、所得税から徴収する傾向が加速する。
結局、企業が円高、高い法人税、派遣労働や環境規制の強化、自由貿易協定などの出遅れ・・・など、五十苦を抱え、国内での事業拡大を慎重にする。
すばらしい状況の解説!だが、この次の一歩を描くのは、自分たちでしかない。さぁ、いかに「いすとりゲームからいすを増やす国家的構想」を描きだすのか。
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