Step1 課題を設定する
組織全体の使命に関わる未来のチャンスや驚異を知る。または、特定のプロジェクトや目標に関する方向性を探ったり、危機的状況への解決策を探るために、シナリオ・プランニングを利用する。自分たちが直面する問題にどう対応するか、という問いから課題を設定する。
同時に、「時間軸を定める」、「ステークホルダーを特定する」ことが重要である。
できれば、ショッキングなテーマ設定をして、関心を喚起しよう。
Step2 情報を収集する
必要な情報を集めるためのチェックリストは存在しない。多角的に情報を収集する努力をしよう。ただし、この継続的情報収集には時間とリソースが必要であることは間違いない。その時間もリソースもない場合には、個人への取材を行う。シナリオプランニングに主観的な意見と判断を持ち込み、経験に基づいた創造力と制約にとらわれない視点を持ち込んでくれるだろう。
例えば、「もしあなたが10年後の未来を見通せるとしたらその特徴をもっともよく表す事項の2、3つとは何でしょう」と尋ねよう。
Step3 未来を動かすドライビングフォースを特定する
ドライビングフォースとは、未来に大きな変化をもたらす可能性をもつものである。STEEPと呼ばれる5つのカテゴリーから考えることが一般的だ。現在から決められた時間まで(通常10年間+α)大切なドライビングフォースをできるだけ多く挙げてもらう。多ければ多いほどいい。
- Social
- Technical
- Economic
- Environmental
- Political
Step4 未来を左右する「分かれ道」になる要因をみつける
多く抽出されたドライビングフォースを、次の二軸をもとに整理する。一つは、不確かさ、もう一つはインパクトの大きさだ。不確かさが高く、潜在的インパクトが大きい象限にはいったものから、重要と思われるものを二つに絞り込もう。これが、重要な不透明要因である。
今度は、二つの重要な不透明要因を軸にして、4象限を見る。これらが異なる未来のシナリオの輪郭を表し、これらが「分かれ道」のどちらにころぶかによって未来が決まる。
Step5 シナリオを考える
四つの象限がそれぞれ異なる未来を表すマトリクスだ。その進展を考え、それぞれのシナリオに名前をつけることを勧める。
Step6 骨組みに肉付けし、ストーリーを描く
シナリオそれぞれの基本部分を拡大する、つまり骨組みを肉付けする。この段階が、もっとも想像力と創造力を必要とされる。肉付けの際には、好奇心たっぷりの質問を考えることから始めよう。関係者にとって、どんな意味があるのか?影響を受けるのは誰で、どのようなものか。財務的にはどのような影響があるのか。誰に取っての、どのような対応が求められてくるだろうか。
肉付けされたストーリーでは、未来から現在へと逆向きに語られることになる。いったいどんないきさつで世界はこうなったのか、因果の連鎖を描くことである。
このプロセスは、非常にエネルギーを必要とする。熱心な参加者でさえ、ストーリーを描くことは容易ではない。重要なのは、出来事の連鎖を現実的に描くという姿勢だ。
ただし、ストーリーをまったく思いつかない場合や異なるシナリオの要素が区別がつきにくくごちゃごちゃになっている場合は、立ち止まる必要がある。切り口として選んだ重要な不透明要因があいまいだったり、切り口が似通っている可能性があるからだ。その場合は、もう一度元に戻って、新たに二つ要因を選び直す必要がある。
Step7 シナリオを検証し、追加の調査項目を特定する
シナリオを発表したり、広く配布する前に、知識豊富な第三者に徹底的に検証してもらおう。フィードバックが重要だ。
Step8 シナリオの意味を汲み取り、取りうる対策を決める
各シナリオに対応する戦略オプションの一覧をつくる。オプションを書き出したら、それらを評価する。
Step9 目印を探す
各シナリオが実現するかしないか、判断するための指標となる、トレンドを特定する。
Step10 シナリオを観察し、更新する
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