Inspired by Nikkeinews 経済教室 2006/02/07
日本経済研究センター(八代尚宏氏)による規制改革研究報告。
「人口減少社会では、生産性の向上がいっそう重要となる。衣料や教育、保育などの専門的サービス分野では、規制によって潜在的な需要が抑制され、質向上が妨げられている。官主導の体質を大胆に改革し、利用者の選択と事業者のインセンティブを活用した健全な競争市場をめざす必要がある。」
医療分野は潜在市場が大きいことは、消費者としても予測可能である。では、なぜ規制緩和が進みにくいのか?
「医療は高度に専門的なサービスであり、潜在的に大きな成長分野でもある。これを保険診療の枠内に無理に押し込めようとする医療界と、その総額を財政の論理でひたすら抑制しようとする国の綱引きの谷間で、医療サービス利用者の意思は無視されたままである。」
背景には、「国民皆保険の理念」がある。すべての国民が保険診療を保障するという考え方だが、この考え方が診療の多様性との矛盾を生んでいる。学校教育も医療と同様に、全国一律の義務教育内容の提供に価値を置いていることが、自発性による質の向上を阻んでいるというと指摘する。いずれも、基礎的なサービスを国の補助範囲とし、付加的なサービスを有償サービスとして提供する柔軟性が求められている。
今後、社会的分野での規制緩和と新規事業機会の拡大が不可欠だが、「全国民一律サービス」思想と「ニーズの多様化」を両立する思想が求められている?
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