Inspired by Nikkeinews 20070228
大田弘子経済財政担当相は、今後五年間で、日本の労働生産性の伸び率を1.5倍に高める数値目標を掲げた。
「生産性五割増計画」によれば、日本の労働生産性は1996-2005年度の平均の伸び率が1.6%のとどまるという。これを、11年度に前年度比2.4%に高めるというもの。
- フリーターの就労支援など成長力底上げ戦略
- ITを使った在宅勤務人口の倍増などのサービス革新戦略
- 大学改革をはじめとする成長可能性の拡大戦略
の三本柱がプログラムとして想定されており、今後諮問会議で具体案を詰めるという。
あわせて、一橋大学大学院の守島教授の主張を紹介したい(Inspired by PRESIDENT20070303))。同氏は、ホワイトエグゼンプション導入検討時の社会の反応をふまえ、「なぜ日本で、生産性向上に不可欠な労働時間改革が困難なのか」という理由を三点挙げている。それは日本企業の強みと深く結びついているという。
- 顧客重視のあり方(顧客の要望とあれば何でも聞いてしまう傾向)
- 職務の設計(職務内容や仕事の順番を、働き手が柔軟に決定する傾向)
→とくに、「臨機応変な対応」を可能にしてきたことが、組織の柔軟性や現場の活力を与えている側面もある。仕事の内容な明確化と柔軟な組織・働き方のデザインの両立という困難なとりくみが求められる - 日本人の労働倫理(「時間をかけてでもよいものを追求する」「仲間のために、最後まで頑張りたい」という意識傾向)
働く人自身が、労働生産性を高め、自身の市場価値の向上、望ましいワークライフバランスの確立を手にするために、自主的な判断をできるようになることが、1.5倍という目標達成のために重要な取り組みとなりそうだ。
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