Inspired by Nikkeinews 20070228 成長を考える 野口悠紀雄早大教授
「日本はいざなぎ超えを達成したといっても、景気回復を牽引しているのは素材や自動車のような20世紀型製造業。ITやエレクトロニクス、ソフト、金融のような21世紀型産業の国際競争力は弱いまま。肝心の産業構造の転換が進んでいない。
その責任は、企業の経営者にある。時代遅れの大鑑巨砲主義を採用したが、『TOO BIG TO FAIL(大きすぎてつぶせない)』ことはあっても本当に強い金融機関へ進化したとは言いがたい。
ITでも、グーグルの社員一人当たりの株式時価総額は日立の五百倍ある。社員の能力差がそれほどあるとは思えない。HDDのようなコモディティ事業に今もこだわり、優秀な社員の能力を十分に活用できていない。
打開策は、外資や海外の経営者を受け入れ、企業の活性化、能力の発揮を進めること。英国も思い切った自由化で外部の資本や人材を大胆に受け入れた。それが、14年連続の景気拡大につながっている。
政府は、地方への権限委譲を大胆に進め、徴税権までも自治体に移す。欧州には、人口40万人のルクセンブルグが金融センターとなり、400万人のアイルランドがITの基地として繁栄している。地方の独立性や独自色を強めていくことが解となる。」
自分自身を守るために、何でも飲み込み巨大化する・・・、それが個人の資産価値で500倍もの差を産む。経営の問題を、まったく新たな視点で考える必要性と勇気を本記事は与えてくれる。
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