Inspired by Nikkeinews 20070301 M&A
イオンのM&Aの動き。同社は、マイカル、マックスバリュ(旧ヤオハン)などの経営破綻をし、債務カットで身軽になった企業の買収を進めてきた。しかし、最近の戦略には変化の兆しが見えるという。昨年のオリジン東秀買収、ダイエーの提携は、従来に比べ投資規模も大きい。
これは、従来の「逆のれん代」「Private Brand商品の販路拡大」といった収益向上モデルから、「メーカーに対する購買力(バイイングパワー)向上」のための規模拡大モデルへとシフトしていることを表している。仕入れ値を引き下げ、収益力を高めなければ世界的な競争で勝ち残れないとの危機感がある。
現在、流通企業は「営業利益率」という指標の向上に躍起になっているようだ。イオンは連結で3.7%(06年2月期)。セブン&アイは6.3%、米ウォールマートは4.9%。収益力向上の一つの施策は規模の拡大によるバイイングパワーの向上。メリルリンチの青木アナリストによれば、「メーカーにとって、(販売先としての)10%以上のシェアを持つこと」が鍵を握るという。イオンは現状で6-7%。ダイエーやマルエツとの連携で10%をめざす。
もう一つには、財務面からの収益性改善がある。営業活動で稼いだ現金(営業キャッシュッフロー)に対して設備投資に充てた資金のバランスを見る。イオンの場合、支出超過の設備投資を行っており、有利子負債が拡大している。現在は、公募増資を実施。一般的に一株利益の希薄化を嫌って株価が下がるという懸念があるが、イオンの場合は成長のための投資という目的に説得力があったためか、それほど下がらなかったという。
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