コミットメント疲れのエントリーに関連して。
野中郁次郎教授のコラムに、サンフランシスコのPier45に停泊している輸送船「リバティ・シップ」についての記述がある。この船は対戦中に2710隻が建造され、二隻のみが現存するという。
第二次大戦が始まったときに、ドイツの攻撃を受けて輸送力不足に陥った英国が、輸送船を米国に発注。短期で経済的な輸送船建造が求められた。その代表が、リバティシップ。
そのコンセプトは、なんと「たった一回の後悔ないし輸送に耐えうる船」である。質より短期大量生産を優先し、設計は英国版からの修正、エンジンは技術に習熟したレシプロエンジンを採用する一方、ブロック別に建造した船体を溶接で接続するなどの革新を先導した。建造には、多数の女性が参加し、“We Can Do It”の意気を示した。そして最短四日半の世界的記録を樹立した。こららの船の大量かつ適時の兵站(へいたん)支援がなければ、連合軍の勝利はなかったといわれている。
プラグマティズムは、米国の生んだ哲学。真理とは何かを抽象的に追求する欧州と異なり、「うまくいった結果が真理、だめならまたやる」という実践哲学。このプラグマティックな思想と、「大きな使命感にコミットする」姿勢が偉大な力を生み出したと野中氏は語る。
米国では、コミットメント、プラグマティズム、大きな使命感とのつながりが重要だとすると、日本人にとってコミットメントを機能させる要因は何であろうか。
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