Inspired by Nikkeinews やさしい経済学 消費者心理とブランド戦略 阿久津 聡准教授
文化人類学者のE・ホールは、コミュニケーションにおけるコンテクストの依存の程度により、文化を類型化したとのこと。米国はコンテクスト依存度の低い文化の典型、日本は依存度の高い文化の典型だといいます。
「おもてなしの心」は、日本文化が誇るコンテクスト依存の高いコミュニケーションの典型だが、日本のサービス分野で世界に通用するものはほとんどない。
異文化コミュニケーションは基本的にコンテクストにあまり依存しない。企業が海外で成功するには、「標準化」と「現地化」のバランスにあると言われるが、これは「脱コンテクスト化」「再コンテクスト化」と言い換えることができる。
モノに比べて、顧客と起業の相互作用の程度の高いサービスでは、コンテクストによって個々のサービス要素の意味がいが大きく替ってしまうため、脱コンテクスト化が難しい。しかし、低コンテクスト文化では、徹底したマニュアル化やサービス内容の言語化といった「脱コンテクスト化」が当たり前のように行われる。その一方、リッツ・カールトン・ホテルなどでは、文化の違う世界中の顧客と共鳴関係を築くために、再コンテクスト化も徹底して行われる。
サービスモデルを考えるうえで、興味深い指摘です。「おもてなしを言葉にすると、壊れてしまう」と感じる日本人のメンタリティの背景には、コンテクスト依存で一つひとつを即興で作り出すことを重視する姿勢があるように感じます。この姿勢は、再コンテクストで生きると分かれば、脱コンテクストに対する無意識化での抵抗感も薄れる・・、そんな風に読み解きました。
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