Inspired by Nikkeinews 働くニホン インタビュー 京セラ稲盛和夫名誉会長
「大義名分だけでは、働くヒトの日常から離れており、ヒトを奮い立たせることはできない」
安倍首相の辞任に際し、稲盛氏が語った言葉。『美しい国』というスローガンだけでは、私たちの日々の生活からは遠かったと指摘。同氏は、「弁護士事務所のように同じ目的を持ったヒトが集まり、上下ではなく横の関係でやっていくという形が組織の理想」と語る。
そのために、トップが持っている経営哲学を開陳し、社員に理解してもらうことが大切とする。効率経営は、株主価値を最大化するという使命のもと、働く社員をモノとしてみなし、優秀な社員を安い給料で雇って成果を挙げることを促進した。これは経営者にとって楽な手法であるが、職場は疑心暗鬼となり、モラールが低下すると戒める。
「三百年続いた唐の大宗の言行録『貞観政要』に、『君主たるものの道はまず百姓を存すべし』とある。知力を尽くして君主となったヒトが、民を大事にしなければ国は滅びるといっている。経営も同じ。従業員が安心して働けるようでなければ、君主は倒される」
一時代をつくった稲盛氏の経営哲学。今後も多角的にみつめていきたい。
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