Inspired by Nikkeinews 20110326 乃南アサ
今こそ、誇りを取り戻すとき。今こそ、看過していた矛盾と向き合うとき。今こそ、今こそ、そして、今しかない・・・。決して、被災後の行き場のない無力感を制御できていないのではない。本当に今だからこそ、今しかない、自ら考え、行動する姿勢とは。
高度経済成長期以降、衣食住が満たされ食べるために必死で働くことをさげすむような風潮が生まれた。生き抜く理由がわからない。生きる力は落ちている。
「今の人は人生に快楽を求め、ごほうびがないと頑張れない。生き方が多様になり、テレビや雑誌で成功者を見ると、もっと別の生き方があったんじゃないか、自分は貧乏くじを引いたのではと思う」
「自分の生き方に満足していると、つまらない人と言われる。かつてはモノが増えることが幸せにつながっていた。今は何が幸せかもわからない。ぼんやりとした不幸せ感が社会をおおっている」(乃南アサさん)
そう、私たちは、これまで常識として受け入れていた矛盾、違和感と向き合い始めている。乃南さんは、これまでの時代の気分を断ち切るのは、生存本能を揺さぶるような非日常体験だという。
「阪神淡路大震災やオウム真理教事件の時に、もしかして変わるのではと思ったがすぐ元に戻った。しかし巨大地震に原子力発電所事故という大災害に遭遇して、今度こそぬるま湯につかっているわけにはいかない。ホンモノの世界で大変な事態が起きているのですから」
そう、日本人は忘れやすい。同じ失敗を繰り返すまいという意思と、ただ元の世界に戻るのではなく本来めざすべき世界に立ち戻ろうというしつこい働きかけが、「今」こそ、そして「今」のうちに、求められている。
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