Inspired by Nikkeinews 20080428 核心
本稿記者は、福田首相の二度の“見えを切る”場面に着目した。
一つは、ねじれ国会のなか、道路特定財源の一般財源化を与党内の不満に目をくれず2009年度の実施を明言。これまで誰も成し遂げられなかった政策転換を与野党の共通目標に浮上させた。もうひとつは、G8ビジネス・サミットで“低炭素革命”へのチャレンジをビジネスリーダーに働きかけたこと。
この二度の本気は、新しい時代の資源配分規範実現とつながるのか。経済の発展段階とは異なる成熟段階ならではの社会インフラ整備の在り方が問われる。建設先行の土木国家から、補修・管理に比重を置く環境国家への移行なくしては、世界に対して真の本気度を伝えることはできないだろう、と本稿は指摘する。
EUでも、首脳主導の厳しい中期総量目標や排出量取引などのメカニズムに昨秋まではビジネス界にも不満はあったという。ところが、最近のビジネスサミットでは、「目標を上回る削減も可能」(ユンゲル・トゥーマン ドイツ産業連盟会長)との声が上がってる。経済界の後押しで、EU先導体制は世界の共通認識になりつつある。
日本に求められるのは、「洞爺湖サミットで、米中印を含む世界全体で2020年までに排出量を増加から減少に転換する“ピークアウト”を提案、合意できるよう、自ら中長期の総量目標を明示する」こと、そして中国・インドなどの大排出国に対し、思いきった技術移転を図ること。この高い矜持の発揮が求められている。
私はのったよ、この心意気。先進国は貧しい国の30~50倍もの非再生可能資源や水の消費を行っている。先進国の傲慢なメカニズムは環境を傷つけた。BOP(Bottom of Pyramid)市場の掘り起こしに挑戦することは、結果として先進国の持続的発展と環境保全の両立を実現する。
ぼやきの福田さんが、逃げ腰になりながらも日本に示した誇り高い方向性を、ちょっと本気で考えてみようじゃないか・・、そんな気分です。
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